私のつぶやき

昨日のお客様の話です。

留袖を持つお客様がお店に来られました。

お子様の結婚式に着る予定で用意してると、
「カビが生えているのが分かったので
持って来ました」との事でした。

　

当店が２軒目で、ダメを承知で
来て頂いたそうでした。よくお話を伺うと、
１軒目のお店で「コレは、もうダメです??　
解いて洗い張りして、縫い直ししないと
着られません。」と言われたらしく、
恐る恐るご自身の留袖を見せてくださいました。

確かに八掛と、比翼にかなりのカビは
見られましたが、解がなくても、着られるように
直せなる範囲かと即答しました。

表地は幸いな事に、カビはありましたが、
目立ちにくくシミを取れば十分着られる
程度のものでした。

　

その事を伝えると、お客様は涙をこぼしながら
喜んでおられました。

親に作ってもらった着物で大事にしていたのに
１軒目の所でダメだと言われ、
相当悲しかったとのことでした。

その涙を見て何とかしてあげたいという
気持ちと同時に１軒目のお店は何と酷い見積り
を出されたのかと思いました。

　

結局解かずにカビ取りとクリーニングができる
ということに納得してお店を出られました。

我が子の結婚式には、親が作ってくれた留袖を
着て参列したいと誰しもが思うはずです。

　

そのお客様のご要望を叶えられそうで、
この仕事をしていて良かったと思う１日でした。